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2015-12-22

エンジニアが働きやすい環境を作る方法が書いてある本 〜ピープルウェア〜

この記事は コミュニケーション Advent Calendar 2015 の20日目の記事です。

書く人がいなくなったので急遽書きます。


今回は職場でのコミュニケーション改善や環境の改善を行う上で知見を得るために読んだ本の中から一冊の本を紹介したいと思います。

一応最初に説明しておくと、僕は友人同士で作った会社の役員の一人(CIO)です。

会社の規模は4人でそのうち3名がエンジニアで残り1名が総務やユーザーサポートなどを行っている人という構成です。

では本を紹介したいと思います。

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ピープルウェア


コンピュータ業界では CPU などのハードウェア、コンピュータ上で動くソフトウェア、人的資源を指すピープルウェアという言葉があります。

Wikipedia にもページが有ります。

この本はその「ピープルウェア」という事柄に関して詳しく述べている本です。
われわれの抱える主要な問題は、そもそも技術的ではなく社会学的なものである
という一節が有名で、この言葉になにか思い当たることがある人も多いと思います。

多くのプロジェクトが失敗する原因は技術的な問題が発生していたのではなく社会学的なもの、つまりコミュニケーションによる問題によるものが殆どであると主張しています。

まさにコミュニケーション Advent Calendar で紹介するにふさわしい本だと思います。



この本では人材の揃え方や活用方法、チームの育て方、オフィスの環境の整え方など様々な事柄について述べられています。

今回はその中から記憶に残ったものを2つ、「設備警察」と「変化のモデル」について紹介したいと思います。

設備警察


オフィスの設備(机の配置や壁、電話など)は生産性に大きく影響します。

そのためオフィスの設備を整える組織(設備警察、おそらく一般的には総務部)が会社にいることは良くあります。

設備警察は会社の環境を良くしようと努力を行います。

しかし、努力の結果生産性を下げてしまうことが良くありますという話です。

例えば設備警察はフロアに机を効率的に並べるために向かい合わせに一列に並べようとします。

最悪です(個人差があります)。

僕は集中してコードを書いているときは誰も視界に入ってきてほしくありません。

壁に向かって座っていたいのです。なので弊社のオフィスは全員壁に向かって座っています。

他にも色々な例が出てきますが、設備警察は良かれと思ってオフィスの設備を整えますが、その結果我々の生産性を下げてきます。

生産性を上げるためには一律で揃えたオフィスの設備は必要ありません。

むしろチームごとに自分たちで自分たちにあった環境を作っていくべきです。

先ほど個人差がありますと断ったのはそのためです。向かい合わせに机が並んでいるのを好む人もいると思います。

大事なのはそのチームごとに自分たちで自分たちにあった環境を構築することです。

設備を整える人は必要な机や椅子、ホワイトボードを用意してくれるだけでいいです。

変化のモデル

ピープルウェア 第34章 変化を可能にする: より良い変化のモデル
という部分で紹介されていた話。

この話が個人的には一番好きです。本の中ではサラッと紹介されているだけですが、印象に残りました。

業務効率の改善などを狙って何かを変化させようとする場合

  1. 古い状況
  2. 実践と統合 (慣れてきた
  3. 新しい状況

という風に考えがちです。

やれば良くなるでしょ甘い考えです。

でも実際には下のような感じになります。
  1. 古い状況
  2. 混乱
  3. 実践と統合 (慣れてきた
  4. 新しい状況
この時、2の混乱では生産性が一度落ちます。

図にするとこんな感じです。 右が考えがちな方、左が実際です。


なので、何かを変化させるときは必ず混乱による生産性の低下が起こることを考慮しなくては行けません。

また、混乱の具合や学習曲線は人によって違います。

おそらく変化を提案した人は混乱の具合が少なく学習曲線が急です。

経験の浅い人は激しく混乱し、学習曲線が高まるまでに時間がかかります。

そういった混乱が発生することを予め考慮して、チームでサポートし合える準備をしておいたほうがいいと思います。


ここでピープルウェアの紹介は終わりです。

本当は他の本も紹介しようと思ったのですが力尽きそうなのでタイトルだけ紹介して終わります。


議論のルールブック


日本ではあまり教えてもらえない、議論の仕方が書いてある本。





自分の小さな「箱」から脱出する方法


自分を客観的に見つめる方法の1つが紹介されている本。

この本は本当に良い。




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